一つのトレンド相場が終わったら、反対方向へのトレンドが始まるから、その流れに乗り遅れないように、すぐエントリーできる場所を探さないといけない。
こんな風に思っていませんか。
実は相場はトレンドが終了したからといって、その後必ずしもすぐに転換するわけではありません。
すぐ転換するときもあるし、時間をかけて転換していく場合もあります。
また、もみあった後結果的に元のトレンドと同じ方向に動きだす、ということもあります。
トレンドが終了した後、相場がどう動くかを予測することは誰にもできません。
相場がどんな動きをしているのか、その後の動きをしっかり観察する必要があります。
今回の記事では、トレンドが終了した後、どのようにトレードプランを立てたらいいのかを詳しく話していこうと思います。
トレンドが終了した後、すぐトレードをして、損切りが連発した経験があるなら、これから話すトレード戦略を採用することで、少ないエントリー回数で大きく利益をあげることができるようになります。
トレンドが終了しても、そこから相場が反転するわけではない
例えばこんな場面。
これはポンドドルの4時間足なのですが、縦の点線よりも右側はアップトレンドが発生しています。
青いラインを下に割ったら、アップトレンド終了です。
ここから相場はこのように動きました。
青いラインを下に割ったので、その時点でアップトレンド終了となります。
ここから、アップトレンドが終了したからダウントレンドになるのでは?と思うかもしれません。
もちろんそういう予測を立てるのはいいのですが、実際にそうなるかはわかりません。
今回はこのようになりました。
赤い丸の安値を実態で更新することなく、上に行きました。
つまり、アップトレンドが一旦終了したがその後またアップトレンドが再開しました。
次にもう一つ紹介します。
この場面、こちらもポンドドルの4時間足チャートです。
点線の右側はダウントレンドが発生しています。
青いラインを抜けたらダウントレンドは一旦終了です。
ここから相場はこのように動きました。
青いラインを上に抜けました。
なので、ダウントレンドは一旦終了しました。
ここからアップトレンドが始まるのかどうか。
この場面はその後こうなりました。
先ほどと同じように、赤い丸の高値を更新することなく、下落し、再度ダウントレンドが発生しました。
このように、今2つの場面を紹介しましたが、トレンドが一旦終了した後は、必ず相場が反転するわけではありません。
もちろん転換するときもありますが、それはケースバイケース。
じゃあ、転換する場合、転換しないでトレンドが再び継続する場合をどのように見極めて、トレード戦略を立てればいいのか、ここからはより具体的に話していきます。
トレード戦略成功の鍵は、ダウ理論でトレンドの発生を確認すること
トレンドが終了した後、どのようにトレードするか、トレード戦略を立てますが、その土台になるものは、ダウ理論です。
先ほどのチャートをもう一度みてください。
これら二つを見たときに、なんとなく、トレンドが継続したな、というのはわかりますよね。
最初の場面は、一旦アップトレンドは終わったけど、その後すぐ上昇に戻ったということが、2つ目はちょっとしてまたダウントレンドに戻ったということがなんとなくわかると思います。
ただ、なんとなくわかるだけじゃダメなんですね。これだとあなたの日々のリアルトレードにいかすことはできません。
なんとなくではなく、きちんと「このラインを超えたらダウントレンドが終了、このラインを超えたらアップトレンド発生」となる場所をピンポイントで見つけられなければいけません。
ただ、これはそんな難しいことではなく、今までに何度も話をしているダウ理論を使えばすぐできます。
トレード戦略を立てる場合に、その土台になるものは、ダウ理論でのトレンドの認識です。
どこのラインを超えたらトレンドが発生して、どこのラインを超えたらトレンドが終了するのか、これが判断できないことにはいつまでたってもトレード戦略が曖昧でエントリー前になんとも言いようのない不安に駆られます。
そうならないためにも、ダウ理論を使ってトレンドの認識をできるようにしましょう。
ダウ理論を使ったトレンド認識の方法
ここからは、先ほどの2つの場面をチャートを使ってより具体的に見ていきます。
トレンドがどこで発生してどこで終了するのかを見ていきましょう。
まずはチャートを載せるので、あなた自身でチャートに書き込むなどして、検証をしてみてください。
では行きますよ。
わかりやすいように、時系列に沿って少しずつチャートを動かしながら解説していきます。
では最初の場面。
まず、ダウントレンド終了を決めるラインが青いライン、①が根拠で、青いラインを引きました。
その後、②で①を上に抜けたことでダウントレンドは終了(ここが1回目の高値更新)。
その後、②でつけた高値を③で更新(ここが2度目の高値更新)。
③の赤丸の時点でアップトレンドが発生しました。
そうすると、この③の高値をつけた波の起点になっているところにラインを引き、そこを下に抜けるまではアップトレンド継続となります。
ちょうど青いラインが重なるので、青いラインをこのまま使います。
で、その後相場は上昇していきます。
その後高値を更新したので、更新した高値の波の起点になった所にラインを移動させました。
この時点で緑色のラインを下に抜けるまでアップトレンド継続となります。
ここから相場は下落します。
④で緑色のラインを下に割ったので、ラインを割った時点でアップトレンド終了になります。
④が1回目の安値更新となります。
この後、④の安値を更新して、2度目安値を更新すればダウントレンド発生となるのですが、⑤でヒゲで一旦は安値更新しましたが、ロウソク足実態では更新されていません。
この場合安値更新とはみなさず、ダウントレンドは発生していません。
そして、その後相場は一気に上昇して行きました。
このように分析することができます。
アップトレンドは終了しましたが、ダウントレンドは発生していないことが大切です。
ダウ理論でダウントレンドの発生が確定したら売り目線で相場を見ていいのですが、今回はダウントレンドの発生は確定していないので、売りエントリーを考えてはいけません。
こういうところで、緑のラインを下に割ったから売り目線だ、となるのはかなり危険で、この考えだと、トレンドが終了したら、反対目線でいきなりエントリーしていいことになってしまいます。
しかし、そんなことはありません。あくまでもダウントレンドが発生してはじめて目線を切り替えるのです。
では、2つ目の場面も同じように見てみましょう。
まず言えることは、①を根拠に引いた青いラインを下に抜けたらアップトレンドは終了です。
そして、②で青いラインを更新しました(一回目の安値更新)。
その後③2回目の安値更新でダウントレンド発生です。
その後順調に相場は下げ、④でつけた安値の起点になっている⑤、ここは先ほどのアップトレンドのときの節目のラインでもあったのですが、同じものを使います。
ちなみに、こういう風にアップトレンドの時に重要なラインがダウントレンドにおいても重要なラインになることは結構あります。
そして、こういうラインはかなり意識されるので、止まることが多いです。
これだけでも1つのトレード戦略が立てられますね。
話を元に戻します。
⑤を元に青いラインを意識し、⑤のラインを上に抜けないことにはダウントレンド継続となります。
で、ここから相場は上昇して、青いラインを上に抜けました。
青いラインを上に抜けたところでダウントレンド終了です。
その後⑥で1回目の高値の更新をしました。
その後⑦で⑥の高値を更新すれば、アップトレンド発生でしたが、ここでは高値を超えることができずに、アップトレンドでもダウントレンドでもない状態です。
で、この時点で重要なラインは、緑のラインに変わります。
なぜなら、緑のラインが高値を更新した⑥の波の起点になっているところだから。
今度はこの緑のラインを基準に相場を見ていきます。
ここから相場は下落していきます。
⑧で緑のラインの安値を更新しました(1回目の更新)。
その後⑨で⑧の安値を更新して、この時点でダウントレンド発生です。
こうなったら後は売りエントリーですね。
最後にここからのトレード戦略を話して終わりにします。
トレンド発生が確定したら、トレード戦略は決まったようなもの
ここまできたら売り目線に固定して、戻しからダウントレンドの方向に相場が動き出したら短期足で狙うだけです。
ちなみに、15分足でこの場面を見ると、このようになっています。
この時点ではすでに4時間足でダウントレンドが確定しているので、売り目線で見ていいところ。
エントリーのタイミングを参考程度に載せておきました。
早い人は①で、遅くても②がエントリーポイントになります。
どちらでエントリーするかは個人の好みの問題です。
なるべく早めにエントリーしたいなら①ですし、戻しを確認してからエントリーしたいという場合は②でのエントリーになります。
いずれにしてもすんなり下落しているので、取れる場面ですね。
ちなみに、この下落幅は①から下までで100pipsほどでした。
まとめ
トレンドを考えるときは常にダウ理論に基づいて、トレンドが発生しているのか、トレンドは発生していないのか、を見極める必要があります。
また、どこを超えたらトレンドが発生するかがリアルタイムでわかることはトレード戦略を組む上での一番の土台になります。
ここが曖昧だと、その先のプランは全て曖昧になってしまい、エントリーに躊躇してしまいます。
そうならないためにもダウ理論に基づいてトレンド認識ができるようにしましょう。
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