ここでは、期待値を出すためのエクセルシートを使いながら、どうやって期待値を出せばいいのかを解説していきます。
期待値を求めるためには、ちょっとした計算が必要です。
と言っても、期待値はエクセルを使えば簡単に出すことができます。
記事の中で期待値を簡単に出せるエクセルシートをプレゼントすると同時に、使い方もここで合わせて解説していきますね。
この記事を読めば、あなたもすぐに期待値が出せるようになります。
期待値を出すために必要なものを準備する
まず、そもそも期待値とはどういうものなのか、またトレードにおいて期待値を出すことでどんなメリットがあるのか、こちらの記事にまとめました。
期待値について理解を深めるには、ぜひ先にこの記事を読んでみてください。
上記の記事でも話していますが、FXにおいて期待値とは1回トレードする毎に稼げる金額の平均値を指し、単位はpipsで表されることが多く、金額で表すこともできます。
さて、まずは期待値を求めるために必要なものを準備しましょう。
必要なものは、1つの手法でトレードしたトレード記録です。
期待値を求めるために必要なものはこれだけ。
もしあなたがこれからトレードを始めるのであれば、まだトレード記録はありませんよね。
その場合、一つ手法を決め50回〜100回くらいトレードを行い、1回1回のトレードでどれくらいの利益、損失が出るかを記録する必要があります。
期待値は手法の凄さを教えてくれるわけじゃない
もしかしたら、50回〜100回トレードをしないといけない、と言われると、ちょっと面倒臭い、と思うかもしれません。
期待値って、手法の勝率とリスクリワードがわかれば簡単に求められるんじゃないの?
期待値は、これだけでは求めることはできません。
期待値とは、あなたがトレードしてどのくらいのパフォーマンスを出せるかを見る指標です。
手法それ自体のパフォーマンスとはちょっと違うんですね。
期待値はあなたのパフォーマンスを教えてくれる
今まで期待値はその手法のパフォーマンスを教えてくれる、という話をしていきました。
一般的にもこの考え方が浸透していますが、実は少し違います。
期待値はあなただけのトレードのパフォーマンスなのです。
もし私が手法Aを使って100回トレードを行ったとしましょう。
この記録を使うことで、手法Aの期待値を求めることができます。
ただ、注意して欲しいのですが、ここで求められた期待値は、手法Aの期待値ではなく、私が手法Aを使った時のパフォーマンスなのです。
じゃああなたも同じ手法Aを使って、私と同じ期待値を出すことができるか。
答えは、できません。
もちろん、近い期待値を出すことができるかもしれませんが、あなたがトレードして出てくる期待値は、あなたが手法Aを使った時の期待値なので、私が手法Aを使った時の期待値とは異なります。
理由は簡単で、同じ手法を使ってもエントリーやエグジット、手法の解釈の仕方が人によって経験の差から若干異なるからです。
だから、一般的にこの手法は期待値から考えて稼げる、と言われてもあなたが全く同じパフォーマンスを出せるか、というのは別問題なんですね。
このことから、期待値を出す時はあなたが実際にトレードを行って記録したもの(もちろんデモトレードでも大丈夫)を使う必要があります。
最もリアルトレードに近いトレード記録を使う
期待値があなたのトレードに意味のあるものにするために、使うトレード記録は、リアルトレードをするときに近いものにするべきです。
期待値を出すために使うトレード記録にはいくつかあります。
どれを使ってもいいわけではなく、より実践に近いものを使う必要があります。
ざっくり分けてトレード記録には、過去のチャートをさかのぼって行う過去検証と、リアルタイムでトレードをした記録の2つがあります。
過去検証はその名の通り、過去のチャートを使って検証を行っていきます。
意味のある期待値を求めるのであれば、過去検証の記録を使うのはオススメしません。
できるなら、リアルタイムでチャートを見て、デモでいいのでエントリーとエグジットを行い、この結果を記録したものを使って期待値を出すべきです。
というのも、先ほども言いましたが、期待値とは、あなたがその手法を使って実際にどのくらいのパフォーマンスが出るのかを測るためのものです。
リアルタイムのチャートでトレード記録を行うことで、これから行う実際のトレードにかなり近い状態を演出できます。
例えばあなたがトレードする時間が20時〜23時と決まっているとします。
1ヶ月間でもいいので、20時〜23時にトレードしてみると、このトレード時間が長いのかとか、集中力がどうしても3時間もたない、などいろいろなことがわかります。
特に最初のうちは過去チャートを使うとどうしても力が入らないことが多いので、時間を決めて本当にトレードする時と同じ状況でデモトレードでいいのでやってみてください。
さて、こうすることでトレード記録が集まりました。
トレードの記録が集まったら、期待値を求めるのはとても簡単です。
何度も言いますが、大事なのはトレード記録をきちんと出すことです。
適当なトレード記録をつけて出てくる期待値は適当なものなので、気を抜かないようにしてくださいね。
トレード記録で必ず欲しいのはpipsだけ
さて、トレード記録をつけてもらうのですが、つけ方はなんでも構いません。
それよりも大事なのはきちんと手法通りにトレードができているかです。
1回のトレードの損益のpipsがわかればそこから期待値を出すことができます。
ここでは期待値を出すのに最低限必要なことを話していくので、トレード記録の付け方はまた別に話しますね。
データがそろったら転記していく
記録ができたら、エクセルシートを使って、期待値を求めます。
最初にトレード記録を集計します。
まずはこちらからエクセルデータをダウンロードして下さい。
まずエクセルファイルを開くと、このようになっていますね。
今回はサンプルとしてこのデータを使います。
最初の白紙のシートに勝ちトレードと負けトレードのpips数を入力しただけです。
合計50回トレードした記録をこのように勝ちトレードと負けトレードに分けました。
ここから最初にすることは、勝ちトレード、負けトレードの最小単位を決めることです。
この中で一番小さい数字を探します。
今回の中では5pipが最も小さい値になります。
あとで説明しますが、この最小の値は5もしくは10の倍数であることが望ましいです。
こうすることで期待値が求めやすくなります。
次に使うのがシート2、「pips期待値」と書いてあるシートです。
開くとこんな風になっていますね。
ここからトレード記録を入力していくのですが、期待値を求めるときにいじる必要のあるセルは、緑と黄色のセルだけです。
最初に緑のセルの説明をします。
緑のセルの一番上には、先ほど最初に出した勝ちトレードと負けトレードの最小のpips数を入力します。
そのまま下も数字を入力していきます。
ここに入れる数字は、最初に入れた最小単位(5pips)の倍数を入れていきます。
今回は5pipsが最小単位だったので、5の倍数ならなんでもいいです。
注意する点としては、今回のトレード記録をきちんと網羅していることです。
最大のpips数は50pipsなので、50pipsまでの枠があれば大丈夫ということです。
今回はこのように入力しました。
20からは感覚が10になっていますが、最初に決めた最小単位の5の倍数なので、問題ありません。
さて、ここまでできたら、次に黄色のセルにトレード記録を転記していきます。
最初のこちらの表を使います。
で、転記の方法は、左の緑のpipsに該当するトレード回数を移します。
で、先ほどのトレード記録を見ると、全てがきれいに5の倍数になっていません。
例えば、14pipsとか16pipsなどがありますね。
こういうのは、5の倍数の近いところに当てはめていいです。
つまりこういう感じです。
14pips→15pipsの所にカウント
22pips→20pipsの所にカウント
29pips→30pipsの所にカウント
51pips→50pipsの所にカウント
このように振り分けていきます。
振り分けができたら、表の黄色い部分を埋めていきます。
勝ちトレードを表の左側に、負けトレードを表の右側に入れると、このように表が完成します。
これで完了です。
ここまで入力が完了すると、あとは勝手に期待値を求めてくれます。
このトレード手法は期待値が0.54です。
期待値は目安としては0.5を目指すのがいいとされています。
なので、今回の手法はいい成績を出している、というのがわかります。
期待値以外の数値について
この表を入力すると、勝率やリスクリワードも、合計獲得pipsも自動的に計算されるようになっています。
それは、先ほど入力した表の上に出てきます。
少し説明を加えるとすると、R倍数ですね。
これがリスクリワードのことで、1.1ということは、リスクリワードが1:1.1ということを意味しています。
以上少し長くなりましが、期待値の求め方でした。
おそらく1度読んだだけじゃまだ心配な点もあると思います。
こちらにサンプルデータを使った期待値を求める練習問題を用意しましたので、ぜひやってみてください。
期待値が求められたら、どうやって手法のパフォーマンスをよくしていくかを見ていきます。
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