今回は前回の続きで、2つ目のユーロドルのチャートを解説していきます。
前回解説したドル円よりもちょっと応用的な内容になっているので、一度でわからない場合は何度か繰り返してみることをオススメします。
今回はエントリー候補として考えられるところが3箇所あります。
でも実際にエントリーするのは2回だけです。
どうして残りの1回はエントリーしないのか、そのあたりについても話をしていきます。
では早速内容に入っていきましょう。
ユーロドルをまずはダウ理論で日足を分析する
ユーロドルもドル円と同じように最初にやるべきことはダウ理論を使って日足を分析することです。
1時間足でトレンドが発生したポイントでエントリーするからといって、いきなり1時間足をみてはダメです。
まずは日足を見ましょう。
ユーロドルの日足のチャートはこちら。
もしこのチャートだけを見て判断するなら、ここからダウントレンド発生と考えていいでしょう。
もう少し前からチャートを見ると、大きく見てこの期間はダウントレンドが発生していると判断しています。
どこから見るかによってトレンドの発生のポイントは異なるので、そこまで突っ込んだ話はしません。
ただ、星のところからはダウントレンド発生で問題ないでしょう。
そして、戻り高値はここになります。
すぐ右側に大きな上ヒゲがありますが、これは指標発表のときのひげなので、そこまで重要視せずに見ます。
この時点で赤い戻り高値を上に抜けるまでユーロドルはダウントレンド継続となります。
日足がダウントレンドなので、エントリーは売りで考えます。
ここまでで日足の分析は終了です。
1時間足でダウントレンドの発生のポイントを探す
次に1時間足を見てダウントレンド発生のポイントでエントリーします。
ユーロドルの1時間足を見ていきましょう。
こちらが前回問題に出したユーロドルの1時間足チャートです。
で、まず最初にやるべきなのは波形を描くことです。
僕はこんなふうに波形を描きました。
さて、ではダウ理論でこのチャートを追いかけていきましょうか。
まず最初のところ。
一番左から見て、最初の下落で1回目の安値更新とすると、この星のところの安値更新でダウントレンド発生となります。
この時点で戻り高値がここですね。
ということは、この青丸の戻り高値を上に更新しない限りはダウントレンド継続となります。
で、ここから相場が下落するのではなく上昇しました。
この時点で戻り高値を上に抜いたので、戻り高値がなくなって押し安値が発生します。
押し安値はここですね。
ここでつけた高値を超えればアップトレンド発生です。
そしてここで抜けました。
この時点でアップトレンドが発生して押し安値が移動します。
ここに移動です。
日足を思い出してほしいのですが、日足はダウントレンド発生中であり、エントリーは1時間足のダウントレンド発生のポイントです。
なので、1時間足でアップトレンドになっているところは無視して大丈夫です。
ここからは相場が上下してちょっとごちゃごちゃしていますが、この四角で囲った部分は高値も押し安値も抜けていないので、トレンドに何の変化もありません。
だからこの辺の波形は、無視しちゃっても大丈夫なのです。
この場面で大事なのは、高値を抜くか押し安値を抜くかどちらかした時です。
で、今回は高値を抜いたので、アップトレンド継続で押し安値が移動します。
ちょうどここで高値を抜いています。
押し安値はここに移動します。
ただすぐに押し安値が抜けれています。
この時点でアップトレンド崩壊です。
アップトレンド崩壊なので、押し安値がなくなり戻り高値が発生します。
青丸が戻り高値です。
安値をもう一度下に抜けたらダウントレンド発生です。
ここで安値を更新しました。
ほんの少しですがここで安値を更新しているのでダウントレンド発生です。
はい、ということでここで売りエントリーします。
ちょっと見にくいと思うので、拡大したものにしますね。
ちょうどここで安値を更新してダウントレンド発生、売りエントリーです。
ここから下に行くのではなく戻しが入りました。
利益確定、損切りは30pipsで統一しているので、ここは損切りになります。
ちょうどこのひげで損切りです。
ここは結果的に安値をつかまされて、損切りになった直後に思った方に動き出す典型的な捕まったケースですね。
ちょっとここ細かい分析になりますがついてきてくださいね。
少し前に戻ってこのダウントレンドが発生した時点で戻り高値が青丸のところになります。
そしてこの戻り高値をここで破られています。
ということはここでダウントレンドが崩壊して押し安値が出現します。
ここが押し安値です。
で、ここから上昇するのではなく押し安値を下にわって戻り高値が出現します。
と、ダウ理論にもとづいて厳密に分析をするとこうなります。
ただ今回はちょっと違った分析をしてこの星をつけたところでも売りエントリーしました。
どうやってエントリーしたのかを話していきますね。
ここがちょっと応用になります。
小さい波形をノイズとして売りエントリー
結論を先に言うと、この星のところで売りエントリーで考えました。
なんでかというと、理由は2つあります。
1つは、この矢印のところでダウントレンドが発生しているのですが、ちょっと安値を更新しただけですぐに戻ってきてしまったから。
もう一つの理由はその後の上昇もちょっとだけだからです。
ここで上に大きく動くなら、一度見直す必要がありますが、上昇もほんの少しです。
これらの2つの理由でこの部分をノイズとして考えました。
で、表現として「少ししか動いていない」というと、どのくらいが許容範囲なのかという話になると思います。
ここで目安としては、直前の下落幅と同じ幅で収まっているかどうかです。
チャートで言うと、ここの幅を上に持ってきました。
このラインを上に抜ける動きをした場合は、動きが大きいと判断して再度売りエントリーはしません。
これらを考慮した上でもう一度安値を更新したところで売りエントリーしたのがここです。
ということでここは少し応用的な場面ですが、一度損切りにあって再エントリーして取り返す場面でした。
ただ、ちょっと応用になるのでダウ理論のトレードをする最初のうちはここは無視してしまっても大丈夫です。
トレードルールに応用を利かせるときは制約をつけること
今話したものは、ダウ理論だけを使ってトレードする方法の応用になります。
で、こういう応用的な話をしだすと結局なんでもあり、どこでエントリーできるじゃん、という話になってしまいます。
しかし、それでは本末転倒であり、一貫したトレードができなくなります。
そうならないために、今回で言うと少ししか上昇してないというのを直近の動きの幅を軸にして考えました。
どこまではノイズと考えていいのかを明確にする物差しをちゃんと持っていないと、どういうときはエントリーして良くて、どういうときはエントリーしないほうがいいのか、がぼやけてしまいます。
こういう意味でも応用的なエントリーになるので、まずは前回話したドル円のエントリー場面を完璧に一人で再現できるようにしましょう。
この応用はそれからでも遅くありません。
一番最初の部分を少し補足します
1時間足の最初の説明のところでもしかしたらなにか疑問に思ったことはありませんでしたか?
何も疑問に思わなかったのであれば、それはそれでちょっと問題かもしれません。
「1時間足でダウントレンドが発生しているんだからここもエントリーするんじゃないのか?」もしこんな疑問が出てきたなら、それはある意味正常な反応です。
具体的にはここですね。
このチャートだけを見ると1時間足でダウントレンド発生と判断してもいいです。
しかし、厳密にはここはダウントレンド発生ではないのです。
1時間足をもう少し前から見るとわかります。
もう少し前からこの場面を見ていましょう。
さっきはこういうふうにチャートを分析してダウントレンド発生と見ましたね。
でもこれより少し前から波形をとらえて押し安値と戻り高値を書き込んでいくとこうなります。
この星の時点で直近の高値を上に抜けているので、押し安値が出現します。
となると、押し安値と戻り高値はこんなふうに推移します。
ちょうどこの星のところに来て押し安値を下に抜けたときに戻り高値が発生します。
戻り高値がここですね。
ということで、ここでダウントレンドは発生しないのです。
もし心配であれば、もう一度この記事の最初に説明したダウントレンド発生の場面を見比べてみてください。
こんな風に、どこからダウ理論の分析をするのかによって、トレンドの発生のポイントは若干異なります。
ただ、過去検証をする時点ではあまり細かいことは気にせず、今見えているチャートで分析するならどうなるか、に集中してチャート分析することをオススメします。
そうじゃないと、いつまでも「もっと前からチャートを見ないとわからない」という余計なことばかりを考えてしまって、肝心のチャートを分析する力がいつまでたっても身につきません。
細かく考えるところは考えて、気にしなくていいところはざっくりでいっていいのです。
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