日足・4時間足などの長期足でラインを引く際、ざっくり引いておけばいい、という話を聞いたことありませんか。
もちろんトレードを始めたばかりの頃はざっくりラインを引いて、そのラインを元にトレードをしてもいいでしょう。
しかし、経験を重ねチャート分析をすればするほど、ざっくり引いたラインを本当に信じていいのか、という不安が大きくなります。
実は重要なラインを引くとき、ざっくり引くのか、細かく引くのか、というのはどうでもいいことなのです。
それよりもっと重要な意識すべくことがあるので、そこも今回は説明しますね。
また今回は、トレンド相場でどうチャートを見て重要なラインを引けばいいのかも解説していきます。
重要なラインがどこなのかを見極められるようになると、売り買いの目線がぶれることがなくなり、トレードに迷いがなくなります。
また、もしあなたがポジポジ病に悩んでいるのであれば、今回話す重要なラインに基づいてトレードプランを立てて、トレードできるようになれば、自然とポジポジ病はなくなります。
なんとなくラインを引くことは、なんとなくトレードすることと同じ
あなたはトレンド相場においてラインを引く際にどんなことを意識していますか。
なんとなくラインを引いているのであれば、かなり危険ですよ。
なぜなら、トレードをするときは、普通日足・4時間足でラインを引き、そのラインを元にエントリー場面を絞り込み、タイミングをとってエントリーしていきますよね。
この流れ、ざっくり書きましたが、すごく重要です。
で、注目して欲しいのは、ラインを引くというのは、トレードの一番最初の一歩だということ。
別の言い方をすると、長期足で引くラインはトレードをする上での一番重要な土台なのです。
その土台となる部分をなんとなく行っているということは、それ以降のトレードは全てなんとなくになります。
「なんとなくこの辺にラインが引けそうだな。
じゃあこの辺でエントリーできそう。
あ、15分足でチャートパターンが出たからエントリーしよう。」
これら一連の流れの出発地点が根拠がなく、なんとなくなので、エントリーする直前になって不安になります。
「そういえば、そもそもこの日足で引いたラインってあってるのかな?」
こうなると、自信を持ったエントリーなんてできませんよね。
こうならないためにも、今回しっかりラインの引き方を押さえましょう。
ラインを引くときは「あなた」の目線ではなく、「ある人」の目線で引く
冒頭で、ラインはざっくり引いても細かくひいてもどっちでいい、という話をしました。
実はざっくり引くのか細かく引くのかはさほど重要ではありません。
大事なことはもっと別のところにあります。
さて、あなたはトレードをするとき、売り買いの目線を決めると思いますが、その時どんなことを意識して、売り買いを決めますか。
「ダウ理論でアップトレンドが確定したら買い目線で、ダウントレンドが確定したら売り目線にする」
「重要なラインを下に抜けたので、売り目線に切り替えた」
もし、こう答えたなら、ちょっと勉強不足です。
もちろんこれらは間違いではありません。ただちょっと違います。
もう少し根本的な話になります。
「そもそもなぜダウ理論が機能するのか?」
この問いに答えられますか?
ちょっと考えてみてください。
・ ・・・・
・ ・・・・・・・・・・・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界中の大多数のトレーダーがダウ理論でトレンドを判断しているから、です。
我々がラインを引いて、ダウ理論に基づいてアップトレンドだとかダウントレンドだとか判断しようとしている理由は、世界中のトレーダーが相場を買い目線で見ているのか、売り目線で見ているのかを知るためなんです。
つまり、トレードをする上で大事なのは、あなた自身が相場をどう見るかよりも、世界中の大多数のトレーダーが売りたいのか買いたいのかを知ることなのです。
そして世界中の大多数のトレーダーの目線にあなたの目線も合わせることが大事なのです。
ここからは世界中の大多数のトレーダーと目線を合わせるためにどういう風に重要なラインを引けばいいのかを解説していきます。
重要なラインは常に値段の更新を根拠に引く
トレンド相場で重要なラインを引くときの根拠は、値段の更新です。
どういうことか、ダウ理論をベースにしたラインの基本的な引き方はこちらの記事を参考にしてみてください。
トレンドの発生と終わりを確実にとらえるために見るべき3つのポイント
今回は、もう少し突っ込んで、だましの場面でのラインの引き方を説明していきます。
これから説明していくのは、ポンドドルの4時間足のチャートです。
まず相場は現在こんな状態です。
ここからこのように動きました。
あなたならこの段階でどう考え分析しますか。
チャート分析の一つとしてこういう風に考えることができますね。
斜めに引いたトレンドラインを割って、直近の高値になっている1.61ラインも上に上昇しているので、ここから上昇し始めるのではないか。
じゃあ、ここから買い目線でエントリーを考えていこう。
こんな分析ができますね。
あなたもこんな風に分析しましたか。
もし、こういう分析をしたのであれば、全然ダメですね。
ダウ理論の考え方が全く身についていません。
多分、ダウ理論って何?と言われたら、なんとなくわかっているんだと思います。
しかし、先ほどのチャートを見て、あのような分析をしているのであれば、ダウ理論を実際のチャートで全く使いこなせていません。
ダウ理論では、値段を更新した波の起点になっているとこにラインを引きます。
先ほどのチャートを一から見直してみましょう。
相場はダウントレンドです。
まずここからスタートします。
この赤いラインを上に抜けない限りはダウントレンド継続と判断します。
次にまた安値を更新したので、重要なラインを下に移動させました。
この時点で、1.62ラインを上に抜けないことにはダウントレンドは継続という見方になります。
ここから相場はこう動きましたね。
この時点ではラインまで上昇していきただけで、ラインを上に割っていません。
つまり、まだダウントレンド継続中なのです。
ダウ理論で考える場合、ダウントレンドの途中で、ちょっと上昇したから買い目線に切り替える、というのは一番やってはいけないことです。
こういうことをやっていると、目線がぶれてしまい、エントリーに自信がなくなってしまします。
この時点で、1.62ラインを上に超えない限りダウントレンド継続なので、赤いラインまで来たら、そこから下落していく可能性は十分あるのです。
そして、実はこういうところの下落が一番美味しい場面なんですね。
実際に今回はこのあと綺麗に下落し、ダウントレンド継続となりました。
では、次にもう一つ別の場面でダウ理論に基づいてラインを引く方法を説明していきますね。
この一番右端の時点で相場はダウントレンドであることがわかります。
そこからこう動きました。
こうなったら、目線は売り買いどちらになりますか。
あなたなりに一度考えてみてください。
ここからは答え合わせをしていきますね。
まず最初にダウントレンドが発生している、と言いましたが、その根拠は何か。
ダウ理論ですね。
よくわからないレンジの状態から、②で①の安値を下に更新しました(1度目の更新)。
そして次に、③で②の安値を更新しました(2度目の更新)。
ダウ理論では、このように値段が2度更新されたときに、ダウントレンド発生が確定します。
で、重要なラインをどこに引くかというと、2度目の更新のときの波の起点になったところです。
それが今回は④です。
なので、④にラインを引きました。
この時点で、④を上に超えない限りはダウントレンドが継続されていると判断します。
そしてその後ですが、こうなりましたね。
先ほどの赤いラインを青いラインまで下げていいか、というのが今回の大きなポイントになります。
青いラインまで下がるということは、この青いラインを上に抜けたらダウントレンドは終了、と判断します。
トレンド継続と判断するか、トレンド終了という判断をするかの大事なポイントになります。
さて、今回は赤いライン、青いラインどっちを使えばいいのか。
答えは赤いラインです。
なぜなら、⑤の安値を⑥で更新できていないから。
大事なのは、安値を更新したポイントであって、今回は安値を更新していないので、ラインを移動させてはいけません。
もしこの図の黄色い矢印のように⑤の安値を更新したら、ラインを赤から青へ切り替え、青いラインを上に抜けたらダウントレンドは終了、と判断する必要があります。
で、今回は青いラインに切り替えてはいけないので、重要なラインは赤いラインのままです。
綺麗に整理するとこんな感じになります。
この赤いラインを上に抜けない限りはダウントレンド継続になります。
実際にその後はダウントレンド継続の流れになりました。
相場のちょっとした動きに過敏に反応して、判断に迷わないためにも、今回紹介した相場の見方ができるようにしましょう。
まとめ
ダウ理論やトレンドの特徴を知ってても、それを実際のチャートに当てはめて考えることができないと意味がありません。
トレードするときの不安をなくし、トレンドをきちんと分析しそのトレンドに自信を持って乗るためにも、どのラインを割ったらトレンドが終了なのか、は常に考えて、自分で判断できるようにしましょう。
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