ここでは、2本の移動平均線を使ってエントリータイミングをとる方法について実際のチャートを使って話していきます。
エントリータイミングについては、まったく気にしなくていい、という人もいれば、しっかりタイミングの取り方を身につけなければいけない、という人もいます。
意見が分かれるところなんですね。
実際には、あなたのレベルに応じて必要になる、というのが正しいでしょう。
トレードを始めたばかりであれば、エントリーのタイミングを気にするよりも、もっと他に考えるべきことがあります。
それに対してある程度相場について勉強し、テクニカル分析にも精通してきたら、これから話すエントリータイミングの取り方は避けては通れません。
いずれぶつかります。
ただ、エントリータイミングの取り方といってもいくつか方法があり、今回はその中でも移動平均線を2本使ったシンプルなものを話していきます。
1つの時間足で全てを行う
これから紹介する移動平均線クロスのエントリーは、1つの時間足しか使いません。
よりシンプルで実践しやすくするためです。
普通エントリーを考えるときは複数の時間足を使う、いわゆるマルチタイムフレームの考え方に則っています。
しかし、この方法はかなり上級者向けであり、一歩間違えると何をやっているのかまったくわからなくなります。
本当にここでエントリーしていいのか、不安になることもあります。
そこで、こうした迷いをなるべく無くし、シンプルにトレードができるように、1つの時間足だけでエントリーするかどうかから、タイミングの取り方まで行います。
ちなみに、今回使うのは4時間足です。
デイトレードやスキャルピングではなくスイングトレードをメインに考えています。
一つの時間足で見方が分かれば、それをマルチタイムフレームでデイトレードなどに応用するときにかなりスムーズにいきます。
そのためにもまずは1つの時間足でしっかりエントリータイミングを取れるようにしましょう。
ゴールデンクロスとデッドクロスだけに注目すると
移動平均線2本でエントリータイミングをとる方法はゴールデンクロス、デッドクロスです。
移動平均線のクロスのエントリーをするとき、よく言われるのは、より長い時間足を見て、流れを確認すること。
つまり、トレンドがどっちの方向に発生しているのか、もしくはトレンドは発生していないのかを確認する、ということですね。
トレンドを確認して、トレンドの方向にサインが出たときだけエントリーする、というのはとても大切なこと。
しかし、時間足を1つだけに絞った場合、移動平均線のクロスはトレンドが発生する前に起こるのがほとんどなのです。
つまり、トレンドの発生を確認したあとは、移動平均線クロスのエントリーはそう多くは発生しません。
チャートで見るとこんな感じです。
これはユーロドルの4時間足チャートです。
どこで移動平均線のクロスが起こっているかはわかりますね。
じゃあ、アップトレンドはどこで発生しているかわかりますか?
ちょうどここですね。
赤いラインが直近の戻し高値で、そこを突破して高値をつけ、さらにその高値を上にやぶった矢印のところでアップトレンド発生です。
トレンドがどこで発生するのか、についてはまずはダウ理論を勉強することをオススメします。
さっき話したことを思い出して欲しいのですが、この場面、アップトレンドが発生する前に移動平均線のゴールデンクロスが起こっていて、トレンドが発生したあとは、エントリーするチャンスがありません。
こんなことが普通に起こるんですね。
トレンドの発生を確認してから、ゴールデンクロスでエントリーしろと言っているのに、トレンド発生前にクロスが発生して、トレンド発生後にはクロスが発生しない。
じゃあ、トレンドが発生してから、まったくゴールデンクロスデッドクロスが起こらないか、といったらそうではありません。
トレンド発生後の移動平均線クロス場面
次にトレンド発生時に、どんな風にゴールデンクロス、デッドクロスが発生するかを見ていきましょう。
先ほどのチャート、4時間足でアップトレンドが発生した場面で続きを見ていきます。
アップトレンドが発生しています。
緑のラインを下に割らない限りアップトレンド継続と見ます。
この緑のラインの上にいる限り、アップトレンドとみなし、ゴールデンクロスが発生すれば、買いでエントリーします。
その後、ゴールデンクロスが発生しました。
さらにそのあとも相場を追いかけていくとまた、ゴールデンクロスが発生します。
こんな風に、トレンド発生直前のゴールデンクロスでエントリーしなくても、そのあとエントリーチャンスは訪れます。
ただ、このトレンドを見て、他にもエントリーできそうなところがあるな、と思いませんでしたか?
例えばこういうところです。
チェックをつけたところ。
こういうところは、移動平均線のクロスのエントリーでは入れません。
しかし、他のエントリータイミングの取り方を使えば、しっかりエントリーできます。
この辺は、別の記事、トレンドラインを使ったエントリータイミングの取り方で話してきますね。
移動平均線クロスのエントリーは押し目が深い
今回の2つの移動平均線クロスの場面をみて、移動平均線がクロスして、そこでエントリーする場合、しっかりした押し目が入ることがわかったと思います。
押し目がしっかり入るということは、それだけじっくりエントリーのタイミングを決められるということです。
浅い押し目で再上昇を始める場合、タイミングを取るのはより難しくなります。
しかし、この移動平均線のクロスエントリーは、エントリータイミングまで余裕があり、他の時間足を気にする必要がないので、これからタイミングを取る練習をするのであれば最初に採用する方法としてオススメです。
ただ、先ほど話した通り、移動平均線のクロスでエントリーする場合、エントリーチャンスはそこまで多く現れません。
さっき紹介したように、ここでもエントリーできるんじゃないの?という場面がいくつも出てくるでしょう。
後々経験を積んでいけば、そういうところもエントリーできるようになります。
はじめのうちは、あれもこれもと欲張らずに、一つの方法でしっかりタイミング取れるようにしましょう。
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