テクニカル分析の一つであるフィボナッチリトレースメント、フィボナッチ、という名前から、少し難しいイメージがあるかもしれません。
しかし、使い方はとても簡単です。
フィボナッチリトレースメントは見方もとてもシンプルです。
長期足で上昇トレンドが出ているが、短期足では下落トレンドが出ている。
こんな時は、短期足が上昇トレンドに切り替わるタイミングを見計らってエントリーするのがいいエントリー方法です。
この短期足のトレンドが下落から上昇へどのタイミングで切り替わるのか、切り替わるタイミングを事前に予測できるのがこれから紹介するフィボナッチリトレースメントです。
基本的な使い方から実際のエントリーまでチャートを使って紹介していきます。
MT4でフィボナッチリトレースメントを表示させる方法
MT4でフィボナッチリトレースメントを表示させる方法はとても簡単です。
具体的には、ここをクリックすると一発で表示させられます。
もしくは、「挿入」から「フィボナッチ」を選んで、その中にある「リトレースメント」をクリックすれば、同じように表示させることができます。
最初に紹介した方法が簡単なので、こちらを使うことをお勧めします。
また、引き方ですが、ここでは上昇場面を例に説明していきます。
もちろん下落場面でも逆にしただけでそれ以外は同じです。
引き方は3ステップだけです。
まず①フィボナッチリトレースメントをクリックした後、②安値をクリックしたまま③高値まで持っていってマウスを放します。
図で表すとこんな感じです。
このようにすると、フィボナッチリトレースメントをMT4上に表示させることが可能になります。
MT4でのフィボナッチリトレースメントの初期設定
MT4でフィボナッチリトレースメントを表示させると、最初は必要のないものまで表示されます。
これでもいいのですが、1度に何本かフィボナッチリトレースメントを引く場合にチャートがごちゃごちゃになってしまうので、そうならないためにも必要最低限だけ表示させるようにします。
まずフィボナッチリトレースメントを表示させると、このようにたくさんのラインが出てきます。
ここにはラインが6本ありますが、6本全てのラインは必要ありません。
さらに、このチャートでは見えませんが、他にも3本見えないラインがあります。
これらの中で使わないラインがあるので、初期設定で必要ないラインは非表示にします。
まず、フィボナッチリトレースメントの上の丸い点で右クリックします。
そこから、「Fiboのプロパティー」をクリックします。
表示されたプロパティーの「フィボナッチレベル」をクリックします。
ここに表示されているのものが、チャートに表示されるラインです。
ここから、必要なもの以外は削除します。
必要なものは、0、38.2、50、61.8、100の5つです。
これ以外は全て削除します。
すると、こんな風にスッキリました。
これで初期設定は完了です。
これで必要なものだけが表示され、いらないものは表示されなくなりました。
フィボナッチリトレースメントから相場の勢いがわかる
フィボナッチリトレースメントを使うことで、トレンドがどこで切り替わってトレンドの方向に転換するのかがわかります。
例えばこの場面。
4時間足チャートですが、現在はアップトレンドで一旦調整をしていて、どこかでまた上昇の勢いがつくことが予想されます。
どこまで下落してトレンドが上昇に戻るのかの目安をフィボナッチをみて判断します。
フィボナッチリトレースメントで使うのは、基本的に、31.8、50、61.8の3つです。
相場が31.8で反転、上昇したら、相場の勢いは強いと判断できます。
50で反転したら、勢いは普通。
もし61.8で反転した場合、そこまで相場の勢いは強くない、と言えます。
これは、ボリンジャーバンドのところでも話したのですが、押しが深く入れば入るほど相場の勢いは弱いことを意味しています。
なので、31.8%で反転した場合はかなり強気でエントリー可能であり、逆に61.8%まで押しが入ってから反転した場合は、きちんと相場の勢いがあることを他のテクニカル分析でも確認してエントリーする必要があります。
フィボナッチリトレースメントを使った実践エントリー場面紹介
ここからは、フィボナッチリトレースメントを使った実際のエントリー場面を見ていきましょう。
まず今このチャートの一番右側にいるとしましょう。
ここから相場が31.8%のラインで反発して上昇すれば、相場の勢いがあることがわかります。
この場面、進めてみるとこのようになりました。
38.2%で止まって上昇することなく、50%まできて、さらに50%も割ってきました。
となると、ここからは61.8%もわって下降の勢いが強くなるか、もしくは、61.8%で反発してそこから上昇トレンドに戻るか、のどちらかになります。
この後61.8%に対してこのような動きになりました。
一旦下に割って、そのまま下落するのではなく、すぐに次の足で戻してきました。
まだ、この段階ではここからどうなるかはわかりませんが、ここから上昇の勢いを確信するためには、大きく上昇するローソク足の出現を待たなければいけません。
待っていると、このような大きな陽線が出現しました。
ここで、一時的に上昇の流れに戻ったことに確信が持てます。
この判断で重要なのは、あくまでも一時的に上昇の流れに戻ったということで、ここから長期的に上昇するかがわかるわけではない、ということです。
つまり、必ずここから上昇して高値を更新する動きになるわけではないのです。
もしかしたら高値を更新するかもしれないし、もしかしたら高値を更新しないで、ある時期を境にダウントレンドに切り替わることもあります。
つまり、このフィボナッチリトレースメントでわかるのは、直後の相場の動きを少し予想するにとどまるのです。
間違えても、61.8%で反発して大きな陽線が出たから、ここから必ず高値を抜きに行く、と考えてはいけません。
大きな陽線のローソク足が確認できたら、向こう少しの間は上昇する可能性があるので、タイミングをとって買いエントリーを狙う、となります。
フィボナッチリトレースメントの長期足での役割はまずここまでとなります。
フィボナッチリトレースメントがサポートと同じ役割をしている、と考えてもらえれば大丈夫です。
ここまでで買いエントリーしていい条件がそろいました。
次にすべきなのは、タイミングをとりエントリーですね。
ここからは短期足に切り替えてタイミングをつかみましょう。
これがちょうど大きな陽線が出た直後の15分足チャートです。
さて、この後、いきなり移動平均線タッチの場面が訪れます。
あなたはここでエントリーしますか??
それともエントリーを見送りますか??
なぜエントリーするのか、もしくはなぜエントリーしないのか、理由も一緒に考えてみてください。
ちなみに、移動平均線タッチでのエントリーに関してはこちらの記事で詳しく話しましたので、参考にしてみてください。
ここではトレンド転換場面での移動平均線タッチエントリーがメインなので、今回の場面とは少しずれていますが、移動平均線タッチでエントリーする場合、どうすればいいのかは理解できると思います。
この場面、エントリーはしません。
理由はいくつかあります。
もっとも大きな決め手になるのは、移動平均線にタッチした時の価格の動き方です。
移動平均線タッチでのエントリーは、タッチしたから上昇するのではなく、もともと相場に勢いがあって、ちょっと相場が休憩していて、そこからいつまたいつ上昇しようか、タイミングを見計らっています。
つまり、反発する時は、移動平均線をきっかけにしているに過ぎないので、きちんと相場の勢いを確認してからじゃないとエントリーできません。
この場面は、移動平均線にタッチした時に、上昇するそぶりを全く見せていません。
上昇の勢いは全く感じられず、移動平均線がないかのように、キレイに移動平均線を割ってしまいましたね。
こういう時はエントリーしません。
また、直前の高値まで上昇してから、移動平均線まで落ちてくる時のスピードも気になりますね。
スピードが速く、大きなローソク足で移動平均線に近づいています。
こういう形状は移動平均線で反発しにくい、というのがあるので、これら2つの理由からエントリーをしない判断ができます。
その後は移動平均線の傾きがなくなり、レンジになっていますね。
ちなみに、こういうレンジ相場でもエントリーできますよ。
詳しいエントリー方法についてはこちらにまとめてあります。
今回の場面だと、ここでエントリーできます。
ここから15分足でレンジ相場が続けば、このロジックでトレードできます。
しかし、相場はそのままレンジになることなく高値を更新しました。
ここでエントリーできるとしたら、赤いレジスタンスラインだったところがサポートラインに切り替わり、レジサポ転換が起こった場合ですね。
また、移動平均線も近くまで来ているので、これらが重なればエントリー可能です。
実際にはこれらの条件が重なったので、エントリー可能です。
まとめ
フィボナッチリトレースメントはそれだけでエントリーするといものではありません。
フィボナッチリトレースメントを使って、長期足の相場の勢いを把握して、そこから短期足でタイミングをとり、エントリーしていく、というのがフィボナッチリトレースメントの使い方です。
もしかしたら少し難しいと感じたかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
相場全体の把握と、タイミングを絞り込んでエントリーする2つの視点を持てればきちんとした根拠を持ってエントリーできます。
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