今回はダウ理論のトレンド発生、トレンド継続、トレンド終了、の定義について細かく見ていこうと思います。
もちろん基本的なことはもうすでに話をしていますので、今回は少し応用的な内容となります。
ただ、応用と言っても相場は基本的にイレギュラー、わかりにくい場面のほうが多いのが普通であり、今回紹介する事例や判断基準は、わりとよく遭遇すると言っていいでしょう。
「ダウ理論の波形のとらえかたがわかって、トレンドの発生やトレンドの終了はなんとなくわかるようになった、でも細かく見ていったときにごちゃごちゃしたチャートをどう判断したらいいのか迷う時がある」
こんな疑問をもっているなら、今回の記事はかなり役に立つと思います。
実際にチャートを目の前にダウ理論の分析をしないことには出てこない疑問ですが、これはとても重要な疑問であり、しかもコツをつかんでしまえば、軽く超えることができます。
「ここってトレンド継続で押し安値が移動するの?」
「ここってトレンド終了って見ていいの??」
「どこを抜けたらトレンドが終了するの??」
今回の記事を読んでもらえれば、こんな疑問はすぐに解決しますよ。
ただ記事は少し長くなっています。
ダウ理論のトレンド判断はヒゲの実体抜け
今回はダウ理論の分析をする上でとても重要なヒゲなのか実体なのか、という話をしていきます。
もしかしたらなんとなくイメージできるかもしれませんが、少し細かい話をしていきます。
FXでダウ理論を抑えるために、これから話す細かい分析が必要なのか、といったら必要だと断言できます。
というのも、これから話すようなちょっと細かいチャート分析というのはよく遭遇するものであり、ここで迷ってしまうと、自信を持ったチャート分析ができないからです。
自信を持ったチャート分析ができないということは、一貫したトレードができないということであり、これはトレーダーとして勝ち続けるのをとても困難にします。
ということで、1回1回のトレードで自信を持ってエントリーできるように、少しずつでいいので、迷っちゃう場面を自信を持って「こうだ!」と分析できるようにしていきましょう。
では、まずダウ理論にもとづいたトレンド判断の復習をします。
「どうなったらトレンド発生ですか?」
と聞かれたらあなたはどう答えますか?
「高値と安値が連続して2回きり上がったらアップトレンドで、高値と安値が連続して2回きり下がったらダウントレンドだ」
こんな感じでしょうか?
いいと思います。
何も問題ありません。
でも、これだけの認識だと実際のチャートを目の前にしたときに、ダウ理論についてほとんど何も知らない状態と同じくらい、なんの使いものにならないことがわかると思います。
こうならないために、常にトレンド判断をするときに持ってほしい目線があります。
それは、ヒゲか実体のどちらで判断をするのか、という視点です。
この2つについて、僕のダウ理論のチャート分析ではどうなればトレンドが発生するのか、どうなればトレンドが終了するのか、どうなればトレンド継続と判断するのか、について一貫した明確な判断基準があります。
それは、
「ヒゲの先端を実体で抜いて確定する」
という基準です。
これらを満たしてはじめて、高値、安値の更新と判断します。
つまり、ヒゲをヒゲで抜いただけで実体では抜けていない、と言うのは何も起こっていないのと同じなのです。
で、この「ヒゲの先端を実体で抜いて確定する」という言葉をもう少し具体的にするとこうなります。
「押し安値のヒゲの先端もしくは、押し安値をつける根拠になった高値のヒゲの先端を実体で抜いて確定する」
「戻り高値のヒゲの先端もしくは、戻り高値をつける根拠になった安値のヒゲの先端を実体で抜いて確定する」
こんな感じです。
もうそろそろ言葉だけだと混乱してくると思いますので、これらがチャートで一体何を示しているのかを見ていきましょう。
この間解説したユーロドルの1時間足が説明するのちょうどいいので、そのチャートを再び使います。
記事はこちらです。前回の記事を一緒に読むことでより理解が深まると思います。
FXダウ理論トレード手法でのエントリー場面その2〜ユーロドル編〜
これが1時間足のチャートです。
チャートが星のところにいる時点でアップトレンドが発生して押し安値が赤い丸になります。
ここから考えますね。
この場面では押し安値があるので、さっきの1つ目の方になります。
「押し安値のヒゲの先端もしくは、押し安値をつける根拠になった高値のヒゲの先端を実体で抜いて確定する」
この場面はアップトレンドが発生しているので、「押しのヒゲの先端を実体で抜ければ」アップトレンド崩壊で、「押し安値をつける根拠になった高値のヒゲの先端をジッタで抜ければ」アップトレンド継続です。
「押し安値のヒゲの先端」と「押し安値をつける根拠になったヒゲの先端」とはここのことです。
この2つに関してはヒゲの先端で考えるのです。
そして、実体で考えるのはこれらを抜くときです。
これらヒゲの先端を実体で抜いたときにはじめて相場の状況が変化します。
なので、このチャートを扱った記事でも話しましたが、この両方のヒゲの先端を実体で抜けない限りその動きは気にする必要はないのです。
ノイズとして考えて無視していいのです。
このチャートで言うとこの部分ですね。
で、この場合は高値のヒゲの先端を突破していきました。
なので、ここで相場の状況は変化します。
高値を更新したのでアップトレンドであることに変わりはありませんが、押し安値が移動します。
もしかしたら「押し安値が移動するだけ??」と思うかもしれませんが、押し安値の移動はその後の相場動きに大きな影響を与える(アップトレンドがどこで崩壊するのかが変わる)ので、押し安値の移動は馬鹿にできませんからね。
よくトレーダー仲間と話をしていると、「どっちかに動いてくれるとトレードしやすいんだけどなー」という話が出てきます。
これはどういうことかというと、押し安値のヒゲの先端か、押し安値をつける根拠になる高値のヒゲの先端を抜けて、相場の状況が変化しないと方向感がないからトレードしにくいな、という意味なのです。
レンジ相場で「相場がどっちかに動かないかな?」という話も出てきますが、レンジは高値と安値がそろっていることが多いので、わかりやすいですよね。
今回話したのが、ちょっと応用的な視点で相場をみて「どっちかに動いてほしい」と考えられる場面なのです。
ダウ理論の戦いヒゲと実体の攻防戦
いまの話をもう少しわかりやすく、別の角度から話そうと思います。
戦い、攻防に例えて話をします。
僕は過去のチャートを守り、いまのリアルタイムの動きを攻撃、としてチャートをみています。
過去のチャートとは具体的には押し安値のヒゲの先端や押し安値をつける根拠になった高値のヒゲの先端ですね。
もう値段が決まっていて動けいないものを守りと考えています。
で、守りは過去のチャートだから、どうすることもできない、とにかく抜かれないように祈ることしかできないので弱い立ち場ですね。
ただ抜かれないのを祈っているしかありません。
だから、攻撃より守りにアドバンテージがあります。
そのアドバンテージがヒゲの先端まで見ていい、ということです。
ヒゲの先端を攻撃陣に抜かれても実体で確定するまで、守っている状態です。
たとえヒゲで抜かれても、実体で抜かれないことには「守りきった」と考えていい、つまりその波形は守りの勝ちなのです。
逆に攻撃する側であるリアルタイムの相場は、やろうと思うえばなんでもできるので、守りのヒゲをしっかり実体で抜けないと勝ったとは言えません。
だから、攻撃は一時的に抜けたとしても実体の終わり値が確定するときにヒゲで戻ってきてしまった場合、守りに負けたことになります。
攻撃は実体で抜けないと勝ったことにはならないのです。
僕はこんな風にチャートを見ているので、抜けたかどうかの確認は全て重要な値段のヒゲの先端を実体で確定したかどうかを見ます。
逆にヒゲでしか抜けていない場合はそこはノイズとして、あまり重要視しません。
ヒゲなのか実体なのかで変わるチャート分析
では最後に具体的にチャートを使ってもう一つの場面を解説しようと思います。
この間トレードしたユーロドルについて、その後相場が動いたので、ここを解説していきます。
また、この場面はヒゲで抜けている部分があるので、トレンドの発生と終了が少し迷うかもしれません。
ちなみにトレンド発生のポイントについては以前の記事で説明していますので、そちらを御覧ください。
さて、こちらがユーロドルの日足です。
今回問題にしたいのは、このチャートはどこでダウントレンドが終了するのか、です。
ぜひまずは少し時間を取って考えてみてください。
たぶん迷うポイントはいくつかあると思います。
もちろん、一発で自信を持って答えられるに越したことはありません。
どこを抜けたらダウントレンド終了かを考えると、たぶん候補としてはこの3つではないでしょうか?
このどこの高値を上に抜いたらダウントレンド終了か、明確な根拠を持って分析できますか?
では少し細かくなりますが、この部分を分析していきましょうか。
まず、最初の波形から行きましょう。
直近がアップトレンドになっていて、押し安値が赤い丸のところですね。
ここからアップトレンドが崩壊するのはどこかといったら、波形をこう見て星のところですね。
押し安値が破られているので、戻り高値が出現しています。
ここでも復習しましょうか。
アップトレンドが終了するポイントは、さっきの赤い丸のヒゲの先端です。
ヒゲの先端(守り)を実体(攻め)で抜けたところで相場が変わります。
今回だとアップトレンドが終了します。
それが今示した星のところです。
で、この時点で守りは星の波でつけた安値のヒゲの先端になります。
このヒゲの先端を下に実体で抜けたらダウントレンド発生となります。
で、次に波形を描きましょうか。
この星のところでは直近のさっき付けた安値をヒゲでしか突破しておらず、実体では抜けていません。
ということは、ヒゲを実体で抜けなければ何も相場には変化がないので、ここでは戻り高値が移動したり、押し安値が出現したりすることはありません。
ということは、この波形はノイズでいいのです。
そして次の波形です。
さて、この場面はどうでしょう。
ここは矢印で示した重要な安値のヒゲの先端を実体で抜けています。
ということはここではじめて相場が動きます。
どうなるかというと、ダウントレンド発生で戻り高値が移動します。
戻り高値はこの安値を付けた起点の高値なので、ちょうど②が戻り高値になります。
わかりやすいようにするために赤くします。
さて、もしかしたらここでこんな疑問を持つかもしれません。
「矢印の安値は実体で抜けているけど、直近の安値のヒゲの先端は実体で抜けてないじゃないか」と。
実はこういうは場面よくあるんです。
こういう場面でも大事なのは、一貫してあなたが納得するチャート分析ができるかどうかです。
僕はダウ理論に基づいたシンプルな分析が好きなので、直近の安値は実体で抜けていませんが、そもそもさっき説明したようにここはノイズとして見ているので、そのノイズの安値を抜けても抜けなくても、それはどうでもいいのです。
ということで、直近の安値を抜けていなくてもそこは無視しています。
さて、ではここから相場はどうなったか。
重要な安値は移動しています。
そして星のところでその安値を下に抜けていませんので、相場はなんの変化もない、ノイズです。
この時点で重要な戻り高値は②であり、ここを実体で上に抜けたらダウントレンド終了です。
ということで、ここで抜けたのでダウントレンド終了です。
答えは②です。
ダウ理論で高値と安値の更新はローソク足の実体で判断しろ!まとめ
今回のようなヒゲの先端をヒゲでは抜けたんだけど、実体では抜けていない、という場面はよくあります。
さらに、ダウントレンドが発生したんだけど、少ししか安値を更新していないから本当に下に見ていいのか不安だ、というのもあると思います。
こういうふうにダウ理論の基本を理解しても、さらに細かいところに目を向けるといろいろなチャート分析ができます。
細かい分析が常にいいわけではありませんが、同じチャートを見たときに、どれだけたくさんの情報を手に入れることができるかはFXの世界で勝ち続けるために欠かせないスキルになります。
何度も言っていることですが、まずはダウ理論の見方をマスターしてから、さらにチャートを多角的に、いろいろな視点で見て分析ができるようになることで、あなたのトレードに自信を持つことができるようになります。
ここを目指してこれからもがんばっていきましょう。
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こんなふうに思っている人には、目からウロコな話ばかりなのでオススメです。
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※この情報に基づいてトレードした際の保証や責任は一切負いませんのでご注意ください。