「相場が上がってきたから、買い目線でチャートを見よう、、あ、今後は下落してきたから売り目線で見よう、、、ん?なんか動きがよくわからないなー、買い目線で見たらいいのか、売り目線で見たらいいのかよくわからない」
チャートを見てて、買いなのか売りなのか、頭の中がごっちゃになること、ありませんか。
トレードをする場合、売りか買いに目線を固定するのはとても重要なことです。
しかし、この売り買いの目線は、感覚的に切り替えてはいけません。
感覚的に売り買いの目線を切り替えるのではなく、しっかりとした根拠を持って行うべきです。
今回は目線を決めるシンプルな方法をお話ししますので、きちんと身につけてもらえれば、今日から売り買いの目線に迷うことはなくなるでしょう。
また売り買いの目線が切り替わるポイントで具体的にどのようにエントリーしたらいいのか、エントリーの3ステップも実際のチャートを使って説明していきます。
ダウ理論で考えトレンド転換場面でエントリーするも損切り
チャートを見て、ダウ理論の考え方に従ってエントリーしたのに思ったより利益が出ずに、逆行して建値決済、もしくは損切りになってしまった。
こうなったこと、ありませんか?
例えばこのチャートを見てください。
こんな風に分析したとします。
ネックラインを実態で抜けたことによって、下目線です。ここから売りでエントリーしたところ、少し下に行ったが、結果建値決済か損切りになるトレードです。
この場面、理想はこんな風に相場が下落していくシナリオですよね。
この黄色い矢印のように下落するのが理想だったのですが、実際は赤い線で書いたように、上昇していきました。
ネックラインを切ったから、売り目線だと判断したのにもかかわらず思ったように相場は下げなかった。
今回はなぜ相場は下落しなかったのでしょうか。
売り買いの目線を決めるのは日足・4時間足
先に結論を言いますね。
売り買いの目線を決めるのは日足か4時間足のチャートです。
実は先ほどのチャート画像は15分足のチャートです。
いいですか、売り買いの目線を決めるのに、15分足を使ってはいけません。
15分足を見て、相場が上昇してきたから買おう、というのは実は最悪で、一番やってはいけないことです。
5分足や15分足などの短期足で売り買いの目線を切り替えても、切り替えた目線はまたすぐ変わります。
そしてこの繰り返しで頭の中がごちゃごちゃになってしまいます。
こうならないためにも、まずは売り買いの目線を決めるのは、日足・4時間足のチャートだ、ということを頭に叩き込んでおいてください。
日足・4時間足を使って売りなのか買いなのかを決めるので、売り買いの目線が切り替わることはそこまで頻繁にはありません。
日足・4時間足でトレンドが切り替わる場面はちょうど大きなトレンドが転換する場面です。
なので、トレンド転換場面の特徴を知っていれば売り買いの目線の切り替えもしやすくなります。
そこでここからは、日足・4時間足でのトレンド転換場面について細かく見ていきます。
トレンド転換を見極める2つのポイント
トレンド転換を見極めるポイントは大きく二つあります。
1つ目は日足・4時間足で直前の安値を更新することで、2つ目は短期足(15分足で)ダウントレンドになったことを確認する、です。
アップトレンドからダウントレンドへ転換する場面を例に説明しますね。
例えばこの場面。
まず確認するべきことは、これが日足もしくは4時間足であること。
日足・4時間足でトレンドを確認して、売り買いの目線を決めます。
今回は4時間足のチャートを持ってきました。
この場面はガンガン買い目線でいっていい場面ですね。
4時間足でアップトレンドなので、戻したところを積極的に買いに行く場面です。
で、ここから下落に転換して行くわけです。
転換かどうかを判断するときの1つ目のポイントは
アップトレンドの場合、直前の安値(ダウントレンドの場合直前の高値)を割った、という事実の確認
です。
チャートはこのようになりました。
この段階でガンガン買いにいっていい確信が、これからもしかしたらトレンドが下落に転換するのではないか、という疑いに変わります。
ただ、この段階ではまだ疑いがあるくらいで、売り目線確定ではありません。
もしこの後、直前の高値まで値段が再び上昇すれば、まだアップトレンドは継続しそうだ、と考えます。
なぜなら、ここから転換してダウントレンドへ移行するのであれば、上昇の勢いがないことを確認しなければいけないからです。
ここがポイントの2つ目なのですが、直前の高値を目指さず相場が「上に行けないなー」というのを感じ、下落し始めたことを確認する。
では、相場からの「上になかなか行けないなー」というメッセージはどうやって受け取るのか。
日足・4時間足を使って、直近の高値まで上昇できないことを確認するのでもいいのですがかなり時間がかかります。
そこで、上に行けないのを確認するためにより短い時間足を見ます。
使うのは15分足です。
この場面の15分足を見てみましょう。
こんな動きをしています。

黄色いラインで頭を抑えられていますね。
これをみて、ここから上になかなかいけない、というのがわかりますよね。
ただ、ここで上に行けないから、じゃあ売りでエントリー、というのはまだ気が早いです。
ここから売りでエントリーするためには15分足で直前の安値を下に更新して、15分足でダウントレンドになったことを確認する必要があります。
ここからは15分足で進めていきます。
ちょっと4時間足忘れているかもしれないので、もう一度4時間足のチャートを載せておきますね。

今この状態です。
直前の安値を大きく割って、ここから下に転換するのか?という場面。
で、15分足がこちら。

では、先に進めていきますよ。
ここから15分足はこうなりました。

ここで15分足は、上に行けずに直前の安値を下に更新しました。
この時点で、15分足は下方向に動き出した、という事実を確認しました。
ここで初めて買い目線から売り目線へと切り替えます。
ここからは完全に売り目線にしてタイミングをとって売りエントリーします。
エントリーはこんな感じです。

で、エントリーの細かい部分はそこまで気にしなくて大丈夫です。大事なのは、エントリーよりも、日足・4時間足でトレンド転換をしっかり見極められて、15分足でどうなったら、エントリーの条件が揃ったのか、をしっかり自分の頭の中で判断できることです。
ポイントをまとめますね。
(ここではアップトレンドを前提にしています)
まずは、日足・4時間足で前回の安値を下に割ったことを確認します。

そこから短期足に切り替えて一旦押し目が入るので、その部分の上昇を追いかけます。
そのまま上昇して元のアップトレンドに戻る時もありますが、アップトレンドに戻らず、ダウントレンドへ転換するときは、15分足でこれ以上、上にいけないことがチャートからみて取れる場面があります。

最後に15分足で直前の安値を割って上にいけないことを確認したらタイミングをとって売りエントリーです。

ちなみに今回の場面は下落幅が約110pipsです。もちろん全てを取りに行くことはありませんが、このくらいしっかり下落してくれる場面を見つけられればそのうちの30~50pipsくらいを取るのはそこまで難しくないですよね。
最後に注意点
最後の今回紹介したトレンドの転換場面での注意点を少し話します。
ここで紹介したトレンド転換の判断の方法は厳密にいうと、ダウ理論でトレンドが転換する直前にあたります。
つまり、完全にはトレンド転換していない。
なぜこういう場面を紹介したかというと、リスクを背負う分、リターンが大きくなるからです。
ダウ理論に基づいて転換を判断すると、どうしてもトレンドに乗り遅れます。
一方今回の方法だと、トレンドが転換した一番美味しいところを狙えます。
ただ、転換したと見せて、もう一度アップトレンドに戻ってくる可能性も多少あるので、このリスクが付きまといます。
どちらが正解ということはなく、好みの問題なので、ぜひトレンドの転換部分を見るときは、ダウ理論で転換ポイントがどこなのか、自分は先にエントリーするのか、後にエントリーするのか、どうするのかを事前に決めて相場に向かってください。
やはり一番まずいのは中途半端なまま、どっちにしようかな、がよくありません。
ダウ理論でいうトレンドの開始、トレンドの転換はこちらの記事も参考にしてみてください。
トレンド転換場面での3ステップエントリー方法
これは実は先ほどのトレンド転換の2つのポイントとリンクしています。
トレンド転換を見極める2つのポイント覚えていますか。
ポイント1:日足・4時間足で直前の安値更新を確認
ポイント2:短期足(15分足で)ダウントレンドになったことを確認
この2つのポイントをしっかり確認するのが、最初の2ステップです。
ステップ3はタイミングをとってエントリーするだけ。
「なんだ、そんなことか、それだけ?」と思ったかもしれません。
しかし、トレードにおいては、ステップ3のエントリーのタイミングを取ることよりも、日足・4時間足で相場の状況を確認することが大切です。
ただ、そう入ってもエントリーのタイミングの取り方も苦労しますよね?
エントリータイミングの取り方はこちらの記事にまとめておきましたので、参考にしてみてください。
今回の話の中では特に重要なのは、長期足と短期足の切り替えです。
時間足にはそれぞれの役割があり、全ての時間足を頭の中で整理してチャートを見れなければいけません。
また、今回のように少しフライング気味にトレンド転換を捉えるときは、短期足の形状にも気をつける必要があります。
15分足をみてエントリーするかしないかを決めるときに有効なチャートパターンがあるので、こちらも合わせて読んでみてください。
今回の場面はレンジブレイクアウトからのエントリーでしたが、他にもチャートパターンがあります。
まとめ
トレンドが転換するポイントというのは実は誰にもわかりません。
しかし、あらかじめこの辺りで転換しそうだな、という予測を立てることはできます。
どうなったら、トレンドが転換したことを確信してトレードしていいか、という話をしました。
もし、トレンドの転換場面を狙っているんだけど、なかなか上手くいかない、という場合、15分足などの短期足で判断するのではなく、日足・4時間足と短期足をしっかり絡めてトレンドの転換を判断するようにしてみてください。
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